名古屋市昭和区の個別療育・個別学習・心理支援に特化した児童発達支援・放課後等デイサービス

WISC-V 21検査版とは

WISC-V 21検査版とは

~「IQを測る検査」から「支援につながる認知アセスメント」へ~

心理発達支援教室 にじのそらでは、2026年7月に発売されたWISC-V 21検査版を導入しています。

WISC-Vは5歳0か月~16歳11か月のお子さまを対象とした世界的に最も標準的な知能検査です。

しかし、WISC-Vは「IQを測るためだけの検査」ではありません。

本当に大切なのは、

  • なぜ勉強が苦手なのか
  • なぜ話を聞き漏らしてしまうのか
  • なぜ字を書くことが苦手なのか
  • なぜ考えていることをうまく言葉にできないのか
  • なぜ学校生活で疲れやすいのか

こうした**「困りごとの背景にある認知特性」を科学的に理解すること**です。

私たちは、公認心理師として検査結果を単なる数値で終わらせず、
その子に合った具体的な支援方法まで一緒に考えることを大切にしています。


WISC-V 21検査版で何が変わったの?

2026年に発売されたWISC-V 21検査版では、従来の16検査版に5つの新しい下位検査が追加されました。これにより、従来の「FSIQ・主要指標・補助指標」に加えて、新たに関連指標が算出できるようになり、認知特性をより多面的に評価できるようになりました。

つまり、

「IQは同じ120でも、なぜ学校生活では困っているのか」

という疑問に、これまで以上に答えられる検査へと進化しました。


従来版との違い

16検査版21検査版
16下位検査21下位検査
主要指標・補助指標まで関連指標が追加
IQの特徴を把握学習のつまずきや認知処理の特徴をより詳しく分析
支援の方向性を考えるより具体的で実践的な支援方法まで検討しやすい

新しく追加された5つの検査

① 呼称速度(リテラシー)

文字や記号を見て、

どれくらい速く正確に名前を言えるか

を測ります。

これは

  • 読み書き
  • 音読
  • ひらがな
  • 漢字
  • 読字障害(ディスレクシア)

との関連が非常に深い能力です。


② 呼称速度(数量)

数字や数量を素早く言えるかを測定します。

算数の計算が遅い

九九が定着しない

数字の処理に時間がかかる

などの背景を理解する手がかりになります。


③ 即時シンボル変換

見た情報を

すぐに記憶して再現する力

を評価します。

例えば

  • ノートを写す
  • 板書
  • 漢字を書く
  • 覚えた内容をすぐ使う

などに関係します。


④ 遅延シンボル変換

少し時間が経ったあとでも

覚えているかを調べます。

これは

  • 長期記憶
  • 学習の定着
  • 復習の効果

などを考える重要な情報になります。


⑤ 再認シンボル変換

「思い出す」のではなく

見れば分かるか

を調べます。

つまり

  • 思い出すのが苦手なのか
  • 覚えていないのか

を区別できます。

この違いは支援方法を決める上で非常に重要になります。


新しく算出できる3つの関連指標

21検査版では、新たに3つの関連指標を算出できます。これらはFSIQや主要指標とは独立して算出され、臨床的に必要な場合に認知能力をさらに詳しく理解するための情報を提供します。

呼称速度指標(NSI)

どれだけ速く情報を取り出せるか。

ここが低いと

  • 音読が遅い
  • 計算が遅い
  • 読み書きに時間がかかる

などが起こりやすくなります。


シンボル変換指標(STI)

見た情報を

覚え

保持し

再現する

という一連の流れを評価します。


貯蔵と検索指標(SRI)

記憶した情報を

必要な時に取り出せるか

を評価します。

これは

「知っているのに答えられない」

「テストになると思い出せない」

という子どもによく見られる特徴を理解する手がかりになります。


学習支援にどう活かせるの?

例えば

ケース①

IQは平均以上

でも

読むのが極端に遅い

呼称速度指標が低い

読み方ではなく

読むスピードに課題がある

音読練習より

読みやすい教材

ICT活用

読み上げ支援

などが有効になる可能性があります。


ケース②

勉強は理解できる

でも

テストになると答えられない

貯蔵と検索指標が低い

思い出すことが苦手

一問一答

繰り返し想起

検索練習

などが効果的になります。


ケース③

板書がとても遅い

シンボル変換指標が低い

視覚情報を保持することが難しい

写真撮影

プリント配布

板書量を減らす

など合理的配慮を考えやすくなります。


発達障害の診断をする検査ではありません

WISC-Vだけで

ADHD

ASD

学習障害

を診断することはできません。

しかし、

それぞれの特性によって現れやすい認知パターンを把握し、医療機関での診断や学校での支援、家庭での関わり方を考えるための重要な資料となります。診断は医師が、WISC-Vを含む複数の情報を総合して行います。


検査で分かること

WISC-Vでは

  • 言葉で考える力
  • 視覚的に考える力
  • 推理する力
  • ワーキングメモリー
  • 処理速度
  • 呼称速度
  • 記憶の保持
  • 情報検索の特徴
  • 認知の得意・不得意
  • 学習でつまずきやすいポイント
  • 合理的配慮のヒント
  • 支援方法の方向性

などを総合的に理解できます。


にじのそらのWISC-V検査の特徴

当教室では、公認心理師が一人ひとりのお子さまに合わせて丁寧に検査を実施します。

検査を行うだけではなく、

  • 結果を分かりやすくご説明するフィードバック
  • ご家庭での具体的な関わり方のご提案
  • 学校で活用できる配慮や支援の考え方
  • 必要に応じた療育・学習支援への橋渡し

までを大切にしています。

私たちは、「数値を見るための検査」ではなく、その子の強みを伸ばし、困りごとを減らすための検査としてWISC-Vを活用しています。


「できない理由」が分かれば、「できる方法」が見えてきます。

お子さま一人ひとりの認知特性を正しく理解することは、適切な支援への第一歩です。

「勉強が苦手」「集中できない」「学校生活で困っている」と感じたら、一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。私たちが検査結果を丁寧に読み解き、ご家庭や学校と連携しながら、お子さまに合った支援方法を一緒に考えていきます。